GLAYのHISASHIさんは、10年くらいまえでは小指を使わないギタリストとして有名だった。
ハイポジションといって、ギターで高い音色を出そうとすると、ネックを短く持つ必要がある。そこでさえ、HISASHIさんはあまり小指を使わなかった。HIASASHIさんはGLAYのリードギターとしてソロパートを担当することが多いうえ、楽器をものすごく低い位置にかまえる。こうなった状態で「小指に頼らない」という条件が加われば、とても弾けたものじゃない。
代表曲「彼女の"Modern..."」のギターソロはGLAYのなかでも人気のフレーズのひとつだけど、アレは小指を使わないとむずかしい。それをHIASASHIさんはサラりとやってのける。ライブでのミスもすくない。実直にすごい。
でも最近のミュージックビデオやライブ映像などを拝見するに、近年の曲ではむかしにくらべて小指を多用するようになったっぽい。個人的にHIASASHIさんは感情的に訴えてくるタイプのギタリストで、もちろん得意技のピッキングハーモニクスやチョーキング、ビブラートなどもさることながら、この何年かの彼のソロは心に沁みるというか、刺さるというか、とにかく技術や実力では言い知れないモノがある。小指の導入もきっとそれにひと役買っていると思う。
すこし、考えてみよう。
むかしのHISASHI「小指、悪いけどおまえとは付きあえない」
小指「ヒサシさん、どうして⁉︎ わたしの友達の小指はみんなギタリストと付きあっているのよ⁉︎」
むかしのHISASHI「だって、楽器を低い位置にかまえると、ハイポジションでおまえ使いづらいし…」
小指「高い位置にかまえればいいじゃない! どうしてわたしだとダメなの⁉︎」
むかしのHISASHI「ダメなんだ…。俺のなかのギタリスト像にあの位置でかまえるのは必須。それに…」
小指「それに…?」
むかしのHISASHI「…俺、人さし指が好きなんだ」
小指「(ガーン!)」
むかしのHISASHI「ずっと言わなきゃって思ってたけど、ハイポジションでリードギターを弾く俺にはやっぱ人さし指がいないと成立しないというか…」
小指「あんなのセーハしてるだけじゃない! わたしのほうがあなたの個性をもっと引き出せるわ!」
むかしのHISASHI「わかってる。小指、おまえがいたほうが豊かになる。おまえがいなくても、いまはやってけてるんだ」
近年のHISASHI「小指、ごめん…。俺がまちがってた。おまえがいなくてもやっていけるなんてウソだ…。俺にはおまえが必要だ」
小指「ヒサシさん…! デビューして10年経ってようやくわたしの良さをわかってくれたのね!」
こんな感じのやりとりがHISASHIさんのなかであったのではないだろうか。…小指で擬人化したけど、お姉さん指(薬指)のほうがハマったかもな。HISASHIさんロリコンじゃ(たぶん)ないし。
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