はじめてZIPを聴いたのは中学生のときで、当時から受験勉強の心強い味方だった。
あれから16年間近く経つこの春、経営者の代替わりにともなう大規模な「若返り」および「新規リスナー層の獲得」として、ずっとZIPを率いてきたナビゲーターの退社が続々と発表されている。
ジェイムス・ヘイブンスは自身のフェイスブックで、ミュージックナビゲーターについて「所詮は雇われのタレント」としながらも、「相談と称して結論ありきの話を持ち出された」旨の発言をしており、また「せめて円満に退社したい」と伝えたことが叶わなかったと記している。
堀江美穂はインスタグラムを更新し「これからのZIP-FMにとって、私にはタレント性、魅力、そして若さが足りてないとのことでした」と明かし、「ありがとうも、おつかれさまもなかった」と労いひとつなかった趣旨の発言をしている。
彼らに限らず、この春ZIPを離れることになっているナビゲーターがみな、口をそろえて自らの力不足をコメントし、叶うなら続けたかったと受けとれる発言を各所で残している。それが、せめての救いだろうか。SDGsが聞いてあきれる。
中学生のころから人生の半分以上でZIP-FMを聴いてきたし、 この地域に住んでZIP-FMを聴いている自分が、ずっと好きで自慢だった。その自分が、大きなアイデンティティが、ぽっかりとあいてしまいそうで本当に寂しい。
ラジオは生活だ。
電波の向こうに、個々の生活があって、仕事をしながら、運転をしながら、家事をしながら、勉強をしながら、みんなが生活の一部としてラジオを聴いている。
この春の改編は、そんな電波の向こうのリスナーの生活のことなんて、これっぽっちも興味なかったのかもしれないな、と予感させるようで本当に悔しい。
ずっとZIPを聴いてきたし、好きだった。過去形にしたくない。「これからも好きでいたい」し、「嫌いになりたくない」んだよ。ずっとZIPPIEでいさせてよ。
これから先の自分がZIPPIEでいるかどうか、ZIP-FMを好きでいるかどうかさえわからなくて悲しい。
でも最後に。
歯に衣着せるつもりがとうとうなかったジェイさん、
ベースに詳しくて、いつも発見と視点をくれたデイルさん、
夜も朝も四六時毎日POIPOIのチャラ王でいたMEGURUくん、
舌鋒鋭くマギーを斬ってはSEAMOになだめられていた堀江さん、
ビージャンやってたころ、毎月僕の好きなバンド呼んでくれたイレーネさん、
スタジオラシックを通るとき、手を振ったら振り返してくれたなりたまさん、
いくつになってもフレッシュで元気だったヨースケさん、
本当に、本当に、いままでZIPをナビゲートしてくれてありがとうございました。
本当に、本当に、おつかれさまでした。
みんなのいなくなったZIPを愛する自信が、いまの僕には正直ないです。ZIPPIE全員が釈然としてないし、全員がこの寂しさを持っています。
でも、ひとりのZIPPIEとして、局を離れるナビゲーターのことも、局に残るナビゲーターのことも、ずっと生活のどこかで気にかけて生きていくと思います。これまで離れたナビゲーターとおなじように、ずっと忘れないです。
いつもZIPPIEに、元気をくれたナビゲーターみんなの、力になりたかった。好きな自分がなくなってしまうようで、正直心の真ん中にあいた穴は簡単には埋まりそうもない。
このさきのことはわからないけど、労いの言葉で、少しのお別れとして願わせてください。
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